珈琲日和
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「おいしいコーヒーで、毎日きちんとホッとする。」
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カテゴリ:身の回りのこと( 1 )
掃く、拭く、はたく。
珈琲日和 バックナンバー Vol.07を掲載します。
昨年末の冬に発刊された7号の特集は、

「掃く、拭く、はたく。」
アンプラグドなおそうじのススメ でした。

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「掃く、拭く、はたく。」
アンプラグドなおそうじのススメ

はたきに箒に糠袋
水拭き乾拭き布ぞうきん
隈なく隅まで大掃除

友達と一軒家を借り上げて住んでいた。
ワンルームマンションとトレンディドラマが流行のご時世だったけれど、どうしてもなじめなくて、ある朝引越を決めた。「町家」なんて言葉のない頃で、空き物件を探して大家さんと交渉して、川辺のやたら古い家を借りることに成功した。

古家は埃が積もる。
で、はたきが活躍する。
古家は掃除機がぶつかる。
で、ほうきが手っ取り早い。
古家は水拭きが一番。
で、雑巾が働く。

平成になっても昭和を遡るような小さな暮らし。お得にして合理的。銭湯通いもクセになり。つっかけをつっかけて琺瑯ボウルに豆腐を買って戻ったら、遊びに来た友達にえらく感心されて一緒に住むことになった。家賃を割って鍋からお裾分けして雨漏りに大騒ぎして気楽に暮らした。なにかと心強かったし、なにかと笑えたし、なにより工夫と発見に満ちていた。なにかっていうと「○○祭」にして盛り上がった。カレー祭、模様替え祭、夜更し祭 etc.

ある日人生を決めた彼女が海外へ移り住むことになって、ちょうど私も仕事が決まって越すことになって、じゃあってことで最後に「大感謝そうじ祭」をすることにした。ねじり鉢巻ハッピよろしく、姐さんかむりに割烹着。建具を外して畳を上げて、本格的一気に本気の大掃除。床下から天井まで、隈なく隅まで。最後に床柱を拭き上げて満足、した。
真新しい障子越しに陽の光がたっぷり射して、ラジオから戸川純が流れてきた。
         …笑った。
おいしいカレーと珈琲と祭!があれば、たいていの町で生きていけるねぇなんて言いながら、あたし達はかちどきの盃を酌み交わしたのだった。パーコレータで淹れた浅煎りのアメリカンで。

布巾をきゅっと絞るようななんてことない瞬間に、あの日の午後が甦る。
あれから何度か直感的な引越をしたけれど(ときには否応なくときには敢えて)、いつでもあそこからやり直せる、と思う。それはなんていうか、印度人の確信に近い。あの大掃除のカイカンが背中を押してくれる気がしている。

珈琲日和 第7号より

今のヴァーチャルなコンピュータの世界であれば、リセットあるいは初期化すれば、あっさり、すっきりと新しいキャンバスが目の前に広がるのでしょうけど、現実には手ごたえのあるモノに囲まれていますから、それをひとつひとつ片付けて掃除する。そこには、振り返ることと捨てること、さまざまな思いをある程度の時間をかけて整理する・・・そうすることが助走になっているように感じるんですけどどうでしょうか?
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by coffeebiyori | 2010-08-24 21:03 | 身の回りのこと